2019/2/26
メキシコはメキシコの壁の費用は払わないトークで始まった!
今年のアカデミー賞で最も象徴的だった受賞は主演男優賞だったかもしれない。「ボヘミアン・ラプソディ」で受賞のラミ・マレックはパキスタンからの移民だ。モデルのフレディ・マーキュリーは移民のゲイという極め付きのマイノリティだ。
想像に難くないのが、アカデミー会員の多くが感じていた今年の空気感である。
いわゆる空気を読んだ結果が、あらゆる差別の無い多様性であり正しい人権の在り方だったはずである。
去年は直前のセクハラ事件もあって女性と移民のアカデミーの印象だったけど、今年も終わってみれば、女性とメキシコと黒人パワー全開のアカデミー賞であった。
但し、受賞の流れから言って作品賞は監督賞のアルフォンソ・キュアロンの「ローマ」が妥当なはずだったが以外にも「グリーン・ブック」となった。
この作品も黒人差別が重要なテーマであっただけに、ある意味まっとうな結果とも言えるが、実際のところネット配信のメキシコ映画が受賞するほどアカデミーは進んでいないことの証明のような気がしてしまった。
それと、司会者が居なくても全く問題ないということがもう一つの意外なことだった。これでいいじゃない、と思うけど来年はまた司会者ありなんだと思う。司会者無しはスタッフの準備が大変そうだからね。
それにしても、現在のアメリカの多様性というより、混沌と言った方が適していると思うけど、この混沌とした現状への危機感を強く感じた。つまり、トランプ大統領への危機感がアカデミー賞全体に色濃く反映していたと言ってもいいのかもしれない、そんなアカデミー賞だった。
さて、来年はどんな世相が背景にあるのだろう?
2019/2/26