音を消してTVCMを見る!
サイレントは、いろんなものを見せてくれる。
何のコマーシャルだったのか、よくわかる。
へー、ってカンジで。
こんなことしてたんだ!とか、
あんなこともしてたんだ!とか、
音のないCMって違反なのかな?とか、
やってみれば個性際立つけどなーとか、等々。
音が悪いわけじゃないけど、嫌いな台詞や嫌いな笑い声が多すぎてうるさい程。
この2、3年、突出して良かったCMは?
すぐに浮かんだのは、脱臭炭とレクサスの2作品。
脱臭炭は何がいって、音楽、ダンスの振り付けの演出から何から何までいい。
狙ったとは思うけれど、多分予想を上回る結果なのだと思う。
去年の傑作だけど、評判がいいのか今年も最近放送していて嬉しい。
エステー(株)は商品のある限り永遠にこれでいいと思うが…そうもいかないんだろうな。きっと何かを変えたくなるだろうことは想像に難くない。
レクサスは、2013年「LEXUS IS Amazing in Motion STEPS篇」歴代日本最高の一本だ。
但しオリジナルなら……。
残念ながら、素材のアイデアは既存のものだった。
偶然BSの番組で発見してしまった。
ヨーロッパのお祭りで優勝したアイテムとコンセプトが全くと言っていいほど同じだった。
でも、その素材の活かし方が素晴らしい。
プロフェッショナルな仕事全開といった趣きだ。
世界に向けたグローバルプロモーションとして制作されたらしく、日本人向けでないところが理解されにくかったのか、芸術性が高すぎたのか、悲しいかなあまり話題にならなかったみたいだ。
作り物の巨人の彼が、巨人の彼女を探してさすらう。
そして、やがて出逢いが訪れる。
歓喜のエナジーが溢れるが、それは異端の悲哀を漂わす。
街を彷徨する彼の動きのディティールのカメラアングルとカット割りの構成は、
クリスティーナ・トレインの「I’m Wanderin’」の唯一無二の歌声にのせて、
泣けてくるほどエモーショナル。
細かな動きの演出にセンスの良さが凝縮していて、心を動かされる。
良いCMの悲哀
シリーズとなった次の街中を駆け巡る「ライトマン「」も美しいが、
前作を超えられないのは仕方がない。
前作は素材に命が宿っていたからね。
ライトマンはそこから派生したコンセプトマン。

それにしても、このような良いCMに出逢ってしまうと、CMとはどんなに良いモノを作ったところで、まるで花火のようにはかなく消えてしまうという宿命を想わざるを得ない。
いとしきかな、CMの悲哀…