なんと豊穣な映画だろうか!
人間の良心を信じた傑作
久しぶりに、また「リトル・ミス・サンシャイン」を観た。
そして、初めて観るように、また感動してしまった。
観終わってから、淀川さんを思い出した。なぜなら、アラン・アーキンがこの作品でアカデミー助演男優賞を受賞したからだ。1968年の「愛すれど心さびしく」で主演演男優賞にノミネートされてから38年ぶりにノミネートされ今回は助演で受賞した。
当時15才だった僕は映画評論家の淀川長治さんの「映画友の会」に参加していたが、その時「愛すれど心さびしく」のアラン・アーキンを絶賛していた事をよく覚えている。もし、淀川さんが生きていてこの作品を観たら、どれほど喜んだろうか。淀川さんは温厚なテレビの印象と違って、実際は辛辣な人という印象が強かったが、「アメリカの良心」を深く愛していて、そういう作品は点が良かった。「真昼の決闘」「スミス氏都へ行く」「アパートの鍵貸します」「夜の大捜査線」そして「ライムライト」等々…。
ラストは誰もが、心の震えを抑えることができないだろう。
淀川さんはよく言っていた。感動の涙はその人の顔と心を美しくするのだと。
だから、みなさんに是非お勧めします。
いい顔になれる映画だよって。
MY評価:☆☆☆☆
2006年公開 アメリカ 100min 原題/Little Miss Sunshine
スタッフ 監督/ジョナサン・デイトン、 ヴァレリー・ファリス 脚本/マイケル・アーント
キャスト グレッグ・キニア、スティーヴ・カレル、トニ・コレット、ポール・ダノ
アビゲイル・ブレスリン、アラン・アーキン
アカデミー賞 第79回(2006年) 最優秀助演男優賞(アラン・アーキン)、 脚本賞受賞
LA批評家協会賞 第32回(2006年) ニュー・ジェネレーション賞
その他多数映画祭ノミネート&受賞