シニアと言われたって、中身はそう簡単には枯れない
世間的には老夫婦に見えるだろうし、爺さん婆さん呼ばわりだが、若者のように生臭かったりするわけで、まだまだ人生の現役感バリバリだ。
若い人たちから見たら、そうは見えないかもしれないが、案外そういうものだ。
人間、そんなに成長なんかしないもの
主人公の夫婦は、旦那がこれからリストラされるという大学教授と奥さんも中学の教師という教師コンビのかなりお堅いカンジなのだが、やることはメチャクチャだ。
結婚30周年の記念の旅行を新婚旅行で行ったパリに再訪するのだが、異国での解放感からか、高級そうなレストランで食い逃げしてみたり、高級ホテルのスウィートに連泊したあげくにカードの限度額を超えてしまうほど羽目を外したり、おまけにフロントで笑い事じゃないと詰め寄られているさ中に「そんな話は聞きたくない」などと言って、ホテルを出て行ってしまう。
全くふざけたはなしだが、本人たちはいたって普通に見える。ちょっと軽く冒険してみてるだけ、と言わんばかりに。
中身がそれほど成熟しないのに、歳だけとっていき、見た目はきちんと爺さん婆さんで、悩みは老齢なりの身体的な事や様々な出来事などに悩ませられる、いう構図は世界中一緒なんだって思った。
それにしても、シニアが羽目を外すと、手が付けられないというか、始末に悪いというか、本人が悪びれないところも困ったところで、自戒込めて観てしまった。
シニアだって、実は大人になるのは難しいことなのである!
MY評価 : ☆☆☆★
2014年公開 イギリス 93min 原題 Le Week-End
監督/ロジャー・ミッシェル キャスト/ジム・ブロードベント リンゼイ・ダンカン