映画「この自由な世界で」不法だからって何が悪いの?


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不法就労斡旋業に手を染める人間って、どんな人?

ごく普通の、ちょっと負けん気が強くて、少し野心もあって‥‥

そして、目の前に可哀そうな人がいたから、つい助けたくなっちゃうような、そんな普通に善良な人が…

そんな人間が自分の不運不幸に負けずに頑張ることが、少しだけ違法だったり、倫理に反することだったりする場合。

それは、今まで自分が理不尽な社会制度にやられたい放題やられ続けていたことを、少しだけやり返してるだけ。

何とか世の中の不公平な仕組みと戦っているだけ…だったとしたら…

映画の彼女は思う。
一人で子供を育てながら、必死に生きているだけなのに、なぜお父さんは私を責めてばかりで誉めてくれないのだろうか?こんなに一生懸命世間と戦いながら生きているのに!ナゼ‥‥わからない‥‥わからないから少しづつ道を外れていく‥‥道を外していくことを自覚しながらその道を選んでいる自分がいる。気付いたら、思いがけないところまで深入りしてしまったけど、今となってはもうこの道を行くしかないのだ。

ケン・ローチ監督の人間を観る視線が優しい

決して短絡的に悪を断じたりもしないし、かと言って弁護もしない。

なぜなら悪は悪だから。

但し、理由はあるんだよ、と静かに話すのだ。

社会悪の仕組みとその関係性はごく普通の何処にでもいる人間をからめとっていく。その有様を静かに描いていくだけだ。

ケン・ローチ監督の見守る視線が優しい。

MY評価 : ☆☆☆★★★
2008年公開  英/伊/独/スペイン/ポーランド合作  96min  
原題/It's a Free World...
監督/ケン・ローチ、脚本/ポール・ラヴァーティ
キャスト/カーストン・ウェアリング、ジュリエット・エリス
第64回ヴェネツィア国際映画祭/金オッゼラ賞(脚本)受賞。

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