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映画「マジック・イン・ムーンライト」恋のマジック金魚


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金魚は自分の水槽の水を換えているのが人だとは知らない。それはまるで人間と同じだ。

と映画は言う。

人間だって所詮何もわかってないようなものだ、と言うことなのか。

人生では、知らないままでいることの方が良いこともある。

そのままそっとしておこう。

知る必要はないのである。

秘密は甘く危険で、時としてひどく残酷だから。

それが秘密で無くなった時、何もかもを失ってしまうこともある。

そして何も残らない。

すべては灰色の世界に溶け失せ、輝いていた想い出も無残な壁の染みとなるだけだ。

ウソのある人生の方が幸せだ とニーチェも言っていたらしいではないか。

秘密の香りを全篇に漂わせる恋のマジック

それも皮肉に彩られたユーモアで、見事に僕たちを秘密の恋のマジックに誘うのだ。

人生最大のマジックは「恋」なのだろうか。

人は誰でも恋に落ちるもの。

何故なら、僕たちは水槽の水を換える人を知らない金魚なのだから。

MY評価:☆☆☆★★★

2014/2015年公開   米/英合作   97min   原題/Magic in the Moonlight

監督・脚本/ウディ・アレン、撮影/ダリウス・コンジ、編集/アリサ・レプセルター

キャスト/コリン・ファース、エマ・ストーン

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映画「はじまりのうた」なんかいいなーこの映画!

音楽っていいよなーって

つくづく思える映画

自分の生きることの あらゆるシーンが

もしも 映画みたいに 自在に音楽に彩られたら

どんなにか 楽しかったり哀しかったりが ドラマチックになることだろう

景色はまったく 違ったものになるに違いない

僕たちの 目に映るすべてのことが どんな色を帯びていくんだろう

音楽は あらゆる物を 事を 変えてしまうチカラがある

音楽プロデューサーのマーク・ラファロがキーラ・ナイトレーの歌う「Lost Stars」に出逢うシーンは、音楽家の頭の中と現実との融合を描いていて、ほれぼれする。

未完成の歌曲を自分のアレンジで完成形に埋めていく作業を、映画というマジックで僕たちは陶酔と共に手に取るようにわからせてもらえるところがとても楽しく嬉しい。

MY評価:☆☆☆★★★
2013年製作/2015年公開   アメリカ   104min   原題/Begin Again
監督・脚本/ジョン・カーニー、撮影/ヤーロン・オーバック、 音楽/グレッグ・アレキサンダー
キャスト/キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ
第87回(2015年)アカデミー歌曲賞ノミネート『Lost Stars』
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映画「マダム・マロリーと魔法のスパイス」美味しいだけで人生じゅうぶん!

料理という魔法

食べるって美しい

だから 料理をすることは 美しいのか

食べるということは

魂とか 命とか

何やら神聖な心持さえしてくる

生き物はみんな何かを食べるのに

あたりまえのことなのに あたりまえだからなのか

食べることに 正面から 自然体で向き合う人は

どこか綺麗だ

 

料理は魔法に似ている。

なんといっても、美味しいものは幸せを運んでくるのだから。

それだけで人生じゅうぶんな気がしてくるから不思議だ。

 

MY評価:☆☆☆★★★
2014年公開   アメリカ   122min   
原題/The Hundred-Foot Journey(100フィートの旅)
製作/スティーブン・スピルバーグ
監督/ラッセ・ハルストレム、脚本/スティーヴン・ナイト
原作/リチャード・C・モライス『マダム・マロリーと魔法のスパイス』
キャスト/ヘレン・ミレン、 オム・プリ、マニシュ・ダヤル、シャルロット・ルボン
2015 ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) ノミネート
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映画「あと1センチの恋」だから映画はやめられない!

人生のチョイス

人生の進め方

人生はままならない

いつも何かをチョイスする。

あの時、こうしてれば

あの時期、ああしてれば

いつも何かを選び、どれかの道を決めて行く。

自分で選ぼうが、他人に決められようが、しょせん自分の結果に違いない。

だったら、思うがままに自分の道を行きたいものだが…

それが人生ままならない。

でも、やっぱり間違えても、失敗しても、自分の人生自分で決めたい。

自分でデザインし、色も決めたいし、自分で塗りたい。

自分のキャンパスだから。

だから映画はやめられない!

「あと1センチの恋」甘すぎて、胃もたれしそーって思ったら、

なんと一気に引き込まれ、語り口の良さに気分も上がる!

場面のポイント毎に流れるベタな選曲が、むしろ嬉しくなる。

リリー・コリンズの新鮮でキュートな魅力がドラマの主力エンジンとして全開。

観終わった後、だから映画はやめられない!って思う映画はサイコーだ。

親しい人に勧めたくなる映画。

MY評価:☆☆☆★★★
2014年公開   英/独合作   104min   原題/Love, Rosie
監督/クリスチャン・ディッター 、脚本/ジュリエット・トウィディ
原作/セシリア・アハーン『愛は虹の向こうに』
キャスト/リリー・コリンズ、サム・クラフリン、クリスチャン・クック
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映画「天才スピヴェット」普通じゃない子の見る世界

普通じゃない子の見る世界はどんなだろう?

普通じゃない子は大人が困る?

権威も常識も通用しない?

世の中が違って見える?

美しいものも、醜いものも、全てがそのままの嘘偽りのない世界が見えてくる。

メッキはいつか剥がれるものだし、

本当はホントウのものしか通用しないはず。

天才スピヴェットを通して世の中を見回すと、

偽善は暴露され、自ずと自然に真実が見えてくる。

この映画を観ると、スピヴェットと共に贅沢な航海をすることができるのだ。

MY評価 : ☆☆☆★★★
2013/2014公開   仏/カナダ   105min
原題/L'extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet(T.Sスピヴェットの贅沢な航海)
製作・監督・脚本/ジャン=ピエール・ジュネ
キャスト/カイル・キャトレット、ヘレナ・ボナム=カーター、ジュディ・デイヴィス
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映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」美味しくって、幸せ映画

人が幸せになる一番手っ取り早い方法は、美味しいものを食べること

美味しいものを食べると、ストレスも消えていく

一見普通のことのようだが、そのことの意味は深い

この映画は、人が美味しいと思うことにまつわる人たちの幸福についての物語だから、しあわせで楽しくて、むちゃくちゃ美味しい映画なのです。

料理人にとってはサイコーに嬉しい映画だろうけど、それ以外の人たちにだってサイコーで楽しい。

何故なら美味しいだけでなく、夫婦関係、親子関係、友達関係についての沢山のいいことも教えてくれるから。

それにしてもキューバ・サンドウィッチのなんと旨そうなことか!

エンディングのキューバサンドの作り方のコトバが凄い。

「最後は外科医のように正確に切らなければならない。ポジションを決めて、一呼吸入れる。この時、世界はサンドウィッチだけになり、失敗したら、世界は終わる!」

ヤバイでしょ。

MY評価 : ☆☆☆☆
2015年公開   アメリカ   115min   原題/Chef
製作・監督・脚本・主演/ジョン・ファヴロー、
音楽/マシュー・スクレイヤー(音楽監修)、撮影/クレイマー・モーゲンソー、
編集/ロバート・レイトン
キャスト/ジョン・レグイザモ 、ソフィア・ベルガラ、ダスティン・ホフマン、
ロバート・ダウニー・Jr、スカーレット・ヨハンソン
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映画「ローマの教室で、我らの佳き日々」寡黙ながらも饒舌に

視点がどこまでも暖かい

寡黙な佇まいながらも饒舌な映画


教育に対して若く情熱に溢れた高校の臨時教員。かつての希望も情熱も今は消え失せ死ぬことさえ身近になっている老教師。規律を重んじることでなんとか気持ちと学校経営を支えている中年の女性校長。それぞれに抱えるジレンマに悩みながらも生きていく姿を、暖かく見守る教育映画である。

映画の語り口は、決して性急に答えを出そうとはせずに、いたって自然に無理しないスタンスを守り抜く。

答えを出そうとしないところが、かえって心地良い。

目線が低くもなく、高くもなく、自然な高さなのもいい。

まるでドキュメンタリーのような趣きだ。

カメラはドラマを語り、そして見守る

映画は唐突に終わりを迎える。

そして、本当に何も解決されていないことにしばし呆気にとられるが、すぐに気づく。

これこそリアルな現実なのだと。

本当はとても多くを語っていたのだ。

実は脚本と演出が周到に練られ、ドラマなきドラマが見事に描かれていたことに思い至る。

3人の役者もしみじみ良くて、さりげない秀作という言い方が良く似合う。

MY評価 : ☆☆☆★★★
2014年公開   イタリア   101min
原題:Il rosso e il blu/原案:マルコ・ロドリ著「赤と青 ローマの教室でぼくらは」
監督・脚本/ジュゼッペ・ピッチョーニ
キャスト/マルゲリータ・ブイ、リッカルド・スカマルチョ、ロベルト・エルリツカ
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映画「タンゴ・リブレ 君を想う」ラストで一気にしあわせになれるよ!

タンゴは魂のダンス!

タンゴが元は男同士の踊りだったとは!

フラストレーションのはけ口として、男同士が酒場で荒々しく踊ったのが、タンゴの始まりらしい。

タンゴそのものは、表面上映画に直接の関係はない。

しかし、根幹にあるのは、タンゴそのものなのだろう。

それにしても、恐れ入った映画だ。

映画の展開に、モヤモヤ、やきもき、もういい加減にしろよ!心の中で悪態をついていたが、

最後に、一気に幸せにしてくれるラストシーンが待っていた。

そして、タンゴの饗宴のエンドロールへと続く。

MY評価 : ☆☆☆★★★
2013年公開  ベルギー/ルクセンブルク合作  97min
監督/フレディック・フォンティーヌ
キャスト/フランソワ・ダミアン、セルジ・ロペス、ロペス アンヌ・パウリスヴィック
第69回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門審査員特別賞受賞
第28回ワルシャワ国際映画祭グランプリ
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映画「余命90分の男」遺作となった皮肉なコメディー

 

わかりやすくお約束の展開だが…

ヒロインのミラ・クニスの勢いがいいアクセントになっていて、ロビン・ウィリアムズも奮闘し、最後までふたりの魅力でもっていく。

彼の遺作となってしまったこの作品はとても皮肉な内容だが、彼の存在感がいいだけによけいに身につまされる。

この時彼は、いったい何を思って演技をしていたのだろうか?

鬱病による薬物依存から自殺に至ったと聞いているが、

彼のいつもの慈愛に満ちた眼が忘れられない。

そして、今も「グッドモーニング・ベトナム!!」と叫ぶ彼の声が聴こえてくる。

MY評価 : ☆☆☆★
2015公開(2014年アメリカ公開) アメリカ 84min 
原題/The Angriest Man in Brooklyn(ブルックリンで最も怒った男)
監督/フィル・アンデン・ロビンソン、撮影/ジョン・ベイリー
キャスト/ロビン・ウィリアムズ、ミラ・クニス
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映画「最高の人生の見つけ方」棺桶リストでしあわせ目指そう!

自分用「棺桶リスト」をつくりたくなる映画 

Bucket List って、日本語で「棺桶リスト」

いわゆる、死ぬ前にやることリスト、ってことか。

余命、6ヶ月。

それまでに、ひとつひとつ実行していくなかで、

皮肉にも、気がついてしまう。

人生って、素晴らしい!

人が死んでしまう映画なのに、

観た後しあわせな気分になるなんて…

僕も、「死ぬまでにやることリスト」

つくろうか?

MY評価 : ☆☆☆☆
2008年公開   アメリカ   97min    
原題/The Bucket Rist(死ぬ前にやることリスト)     
監督/ロブ・ライナー、音楽/マーク・シャイマン、 主題歌/ジョン・メイヤー「Say」撮影/ジョン・シュワルツマン
キャスト/ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン
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映画「シー・オブ・ラブ」色っぽさがこぼれてる!

 

エレン・バーキンとアル・パチーノのガチンコ勝負

2人の魅力のぶつかり合いが、フェロモンをあたり一面にまき散らす!

ちょっとむせちゃいそうで、凄くイイ。

色っぽさが、こぼれてる!

「シー・オブ・ラブ」のムーディーなテーマ曲にのせて、

サスペンスフルに展開。

ラストはとてもいい気持にさせてくれる。

見事なエンターテイメントな仕上がりだ。

もちろん、アル・パチーノもいいけれど、

ここはやはり、

エレン・バーキンのベストピクチャーと言いたい。

MY評価 : ☆☆☆★★★
1989年公開   アメリカ   113min   原題 SEA OF LOVE
監督/ハロルド・ベッカー、音楽/トレヴァー・ジョーンズ、撮影/ロニー・テイラー
キャスト/アル・パチーノ、エレン・バーキン、ジョン・グッドマン
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映画「僕達急行 A列車で行こう」正統しあわせ請負版

 

森田芳光監督の遺作になってしまった!

どう見ても、シリーズを見越した作りだよね。

寅さんのように、日本各地を鉄道マニアの「鉄ちゃん 」が巡って行く映画になったはずなのに…

なんともったいなく、残念なことだろうか!

この映画は、正統しあわせ請負映画なのである。

山田洋二監督の「寅さんシリーズ」や「釣りバカシリーズ」に匹敵するシリーズになるはずだったのに…

日本中の鉄ちゃん達にとって、これほど残念なことはないだろうけど、映画ファンにとってもこの上なく残念な事なのである。

でも、森田芳光監督の最後の作品が、傑作になって本当に良かった。

MY評価 : ☆☆☆★★★
2012年公開   東映   117min
監督/森田芳光、主題歌/RIP SLYME「RIDE ON」、撮影/沖村志宏
キャスト/松山ケンイチ、瑛太、貫地谷しほり
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映画「フル・モンティ」心が震える泣き笑い!

 

泣きながら笑う映画って、めったにあるもんじゃない!

アドレナリンが爆発する!

生活に追い詰められた人々の、精一杯頑張る姿を見つめる眼差しが暖かい。

追い詰められた人間の辛さと哀しさは、しかしどこか滑稽だ。

どこまでも真剣だからこそ、その哀しみはおかしさに繋がり、リアルに際立つ。

男も女も、俳優たちのなんと素晴らしいことか!

みんな嬉々として演じている。

ラストはアドレナリンが爆発し、

笑いの洪水に巻き込まれるが、

気がつくと、

涙も一緒の泣き笑いだ。

MY評価 : ☆☆☆☆
1997年製作  イギリス  92min  原題 THE FULL MONTY(すっぽんぽん)
監督/ピーター・カッタネオ、音楽/アン・ダッドリー 、撮影/ジョン・デ・ボーマン
キャスト    ロバート・カーライル、トム・ウィルキンソン 
97年英アカデミー 最優秀作品、主演男優、助演男優、オリジナル作曲、観客賞 /5部門受賞