あの時代、僕たちは僕たちの歌を歌っていた
僕たちの青春時代、激動の時代、1970年前後、寺山修二、浅川マキ、カルメン・マキ、天井桟敷、五木寛之、野坂昭如、赤テント、唐十郎、根津甚八、緑魔子、長谷川きよし、あがた森魚、山崎ハコ、りりィ‥‥
今週もNHKBS「ザ・フォークソング~青春のうた~」は感無量の心持になった。
山崎ハコを初めて見たのは、1975年のラジオの公開放送だった。
ハコの独特なピュアな歌声がスタジオ中に響き渡った。
衝撃が走ったのは同時に出ていた荒井由実ではなく、デビューしたばかりでまだ誰も知らない山崎ハコだった。
スタジオ中にすすり泣きが聴こえていた事は、今も鮮烈な情景として忘れられない記憶である。
あれから40年以上が経ち、ハコは今もやっぱりそのままのハコであった。
そして、もうひとり、リリィ。
りりィは素敵な声のカッコいい女性としての印象以外、特に接点の無かった人であったが、「私は泣いています」を歌い始めると、まさかの歌詞を殆ど覚えていた自分。
歌うりりィの顔つきがとても優しい雰囲気で、自然と会場中に笑顔が広がっていく
まさに大人の佇まいが魅力的で、先週放送のカルメン・マキと同様の良い年の取り方をした大人の魅力だ。
2曲目に1973年の「心が痛い」。
知ってはいたが、知らない事と同じだった。
心にじかに響いてくる全身全霊の歌声は、とても胸を打った。
歌い終わった彼女の笑顔に泣けてきた。