イギリス女性監督からみたアメリカのイラク戦争映画
人間の深淵を垣間見てしまう、心の闇にようこそ!
私たちの全く知らない戦争の側面をダイナミックかつスリリングに描く。
垣間見えてきたのは人間の弱さか恐ろしさか‥‥
極限のスリル、恐怖の中に身を置くとは、どういうことなのか?
人はどうなっていくのだろうか?
戦争に於ける様々な問いを、この映画はひとりの爆弾処理専門の男を通して語る。
普通の生活を送っている私たちが知る由もないその心理を、ほんの僅かかもしれないが、確かに垣間見たような気にさせられる。
イラク戦争の実態を描くという側面も無論あるが、むしろ人間の心の闇に踏み込んでいくその様はサスペンスフルで、エンターテイメントとして見事に成立させてしまったところが、監督キャスリン・ビグローの手腕なのだろう。
当然のように、アカデミー賞を独占してしまった!
とにかく、面白い映画だ。
MY評価 : ☆☆☆☆
2008年製作 アメリカ 131分
原題 The Hurt Locker (イラクの兵隊用語/行きたくない場所・棺桶)
監督/キャスリン・ビグロー、脚本/マーク・ボール、撮影/バリー・アクロイド
キャスト/ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー
2009年英国アカデミー賞 作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞、編集賞、音響賞、撮影賞
2009年米国アカデミー賞 作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞、編集賞、音響効果賞、録音賞