差別と偏見に負けない天才の根性
アメリカとソ連の国家を挙げての宇宙開発競争が行われていた1960年代。
一丸となって戦わなければならないのに、黒人への差別と偏見により一丸となれない分だけソ連に先を越されていたのかもしれなかった。
そこへ人種の壁を突き破って登場したのが黒人の天才3人組の女性たちであった。
NASAをそしてアメリカを救い支えたのは彼女たちの力がどれ程大きかったのかという物語というか実話なわけだが、それにしても、これほどの天才であっても差別と偏見の壁を突き破ることは並大抵ではなく、不屈の意志と勇気を持ち続けなければならなかった。その障害は黒人社会の方にもあって、亭主や周りの環境は突出する存在を恐ろしいと感じることは当然だし、彼女たちはあらゆる面で戦わなければならなかった。
まさにパイオニアである。
映画は所々にユーモアを交えながらキビキビした編集で的確にストーリーを展開していく。
リズム感のある見事な演出だ。
そして何より素晴らしいのは彼女たちを演じる女優たち。
脚本がいいのは言うまでもなく魅力的に描き込んだ女性像ではあるが、やはり演じる3人の女優の魅力がイコール映画の魅力となっている。
主役キャサリンを演じるタラジ・P・ヘンソン、脇で実力者オクタヴィア・スペンサー、歌手のジャネール・モネイは全米俳優協会賞の最優秀アンサンブル賞、オクタヴィア・スペンサーはアカデミー助演女優ノミネート、更にアカデミー作品賞、脚色賞ノミネート。
MY評価 ☆☆☆★★★ 2016年 アメリカ 127min 原題/Hidden Figures 監督/脚本 セオドア・メルフィ、原作/マーゴット・リー・シェタリー『Hidden Figures』(隠された数字) キャスト/タラジ・P・ヘンソン、ジャネール・モネイ、オクタヴィア・スペンサー、ケビン・コスナー