アメリカは分厚い!これが今年のグラミー賞で思わず出た言葉だ。
この分厚い壁、分厚い混沌、分厚い抵抗、分厚い競争、この分厚さから抜け出て来た才能集団がここにある。
並大抵でない個性の煌めき。
特別に個性的なことこそがクールなのであって、人と同じでは意味のない事。人と違ってこそ意味を持ち始める。
ブルーノ・マーズの楽しさとカッコ良さはたとえようもない!
と思ったらスティングの登場!また別物の比類ないカッコ良さは超クール!
ピンクの意外にも歌の力のみの凄み。言い出したらきりがない。
セクシャルハラスメントはもう終わりだ!タイムズ・アップ!と力強く訴えたケシャとシンディー・ローパー達女性軍。
ひとり、さりげなくタイムズ・アップと呟くレディ・ガガ。
魂を壊された者たちの叫びだ。
同様に胸に刺さる。
あらゆるマイナスをプラスに転化する力強いベクトルこそ音楽、そしてグラミー賞の本質なのか。
あらゆるジャンル、あらゆる国、あらゆる肌の色、あらゆる性別、あらゆるマイノリティ又はマジョリティ、あらゆる主義主張がここではサイコーのパフォーマンスで堂々と披露される。全てがここにあるかのようだ。もちろん古今東西音楽だって政治から逃れられない。圧巻のパフォーマンスのスタンディングオベーションに平然と座り続けるアーティスト達もいる。何でもありだ。まるでカオス。
冒頭で現代の黒人を代表するコメディアンのデイヴ・シャペルは言う。「アメリカで黒人が正直に生きるのを見るのは恐い。正直な黒人として生きるのはもっと怖い」
それにしても何時からこれほどソウル、R&Bとヒップポップの天下になったの?
もはや白人だけではほんの一握りの狭いシーンを形成するだけだ。様々な人種で作り上げているヒップポップやR&Bこそが主流となったことこそが今を如実に表している。
象徴的なのが、ケンドリック・ラマーで始まり、ブルーノ・マーズで締めくくったことだ。
それにしても、まさかこんな時代が来るとは!
それにしても、大勢の黒人たちが撃ち殺されていくパフォーマンスをしていまうとは!
それにしても、ヒラリー・クリントンまで登場させてトランプ大統領をおちょくるとは!
それにしても、みんなエルトン・ジョンが好きだよね。
それにしても、凄いリアーナのエロカッコ良さ!
それにしても、司会者が腰を抜かさないでと言ったパティ・ルポーンの腰を抜かすほどの圧倒的歌唱力!
それにしても、ジェイZが全て落ちるとは!昨年の彼の妻ビヨンセの再現を誰が予想しただろう‼
それにしても、あらゆるそれにしても、があるのがグラミーなんだね。