生観戦はいつもビックリ発見がある
楽天テニスは、先日観たジャパンウーマンズオープンテニス(JWO)に続いて今年2度目の生テニス観戦。
生で観戦するたびに思うことは、テレビで観るのと実際の違いの大きさだ。
JWOでは加藤未唯とカザフスタンのザリナ・ディアスが強く印象に残ったのだが、決勝がまさかのこの二人。
テニスの技術的な言い方で「素早くボールの後ろに入れていた」だからいいショットが打てたという言い方あるが、加藤未唯選手を見て初めてその言葉の意味を理解した、と思った。わかっているつもりでいたことが、加藤選手のプレーを見て、突然理解した気がしたのだ。言葉で説明しにくいことだから、イメージすることが出来たと言い換えてもいいのかもしれない。イメージ出来ると、そのイメージを持ってプレーすることで自分のプレーが良くなっていく。イメージできちゃってラッキーって感じだ。これだから生観戦はやめられない。
ディアス選手はサーブのフォームは衝撃的だった。早目のテイクバックなので、あとは振り抜くだけの極めてシンプルなサーブ。しかしそのテイクバックが凄い。ラケットの位置がトスした腕に対して普通は対極の180度ぐらいにあるのだがディアス選手は最初から200度ぐらいで、更に打つ時に30度から45度ぐらいまで後ろに引っ張る。そして戻す反動を利用して一気に振り抜く。目の前で見ると、反則だろというぐらいえげつない力強さだ。コンパクトさとパワフルを両立させている理想的な打ち方といえる。だが下手に真似をすると背中を痛めてしまうし、そもそもかなりの柔軟さと筋力がなければできないフォームなので完コピは危険だ。
楽天テニスではティームとアルゼンチンのシュワルツマンの二人
自分はティーム選手のサーブを参考にしているのでよく観察しようと思って見ていたら、あまりにテレビと違うイメージなので驚いた。特徴的なところは体を反らせるテイクバック。ラケットをかなり背中の後ろにセットするのだが、その時ラケットは一瞬止まっているというイメージだった。だが実際はスムースにキレイにラケットは回っていた。そこで重要なポイントはゆったりと背中側で回されたラケットが足で地面を蹴るエネルギーが体の回転となって、いわゆるキネティックチェーンというやつだが、凄まじく速いラケットのスウィングスピードに変換されていくところだ。やはり速いスウィングスピードの実現はラケットは止まらない方いいのだろうか?選手によっていろいろだろうが、厳密に言えば多分ラケットは動いているとは思うのだが、テレビでは一瞬止まって見えていた。しかし、普通に回っていた。テイクバックでラケットが一瞬止まって見えるサーブを打つ選手はいくらでもいるが、もしかしたらテイクバックで脱力するゆっくりな動きからパワーをためるその一瞬の間が、止まって見えているイメージをつくっているのかもしれない。
いずれにしても、やっぱり実際に見ないとわからないのだ。
シュワルツマン選手は、とにかくボールが速くて確実でミスが無く、その安定度が凄まじくスゴイ。強打しているのにミスが極端に少ない。テニスのプレーにおいてこれほど理想的な事もない。しかもシュワルツマンはとても小さい。多分公証の170㎝はないと思う。テレビ解説でも同じことを言っていた。あの身長でサーブはチョット力を入れて打つと楽に180キロ後半を出す。アルゼンチンの生んだ天才はデルポトロとシュワルツマンの二人だ。
これが今年の生テニスの衝撃でした。
それにしても、錦織圭の居ない楽天はいまひとつ盛り上がらない。来年こそ錦織選手の戦う姿が観たいものです。