映画「SCOOP!」猥雑な海に漂いたい!


sponsored link

好感度高い猥雑空間


下世話で、猥雑で、特に主義主張も無いところが、とてもいい。

演出も、脚本も、奇をてらわず真っ当で、俳優陣も皆さん水準以上で最後まで愉しく観させてもらった。

でも、ちょっとだけ要らないところがあって、そこが無ければもっと良くなったのに惜しい。

一つ目は福山くんと二階堂ふみのベッドシーン。あれは総て要らなかった!この映画のテイストと全く相容れないものだった。とても綺麗に撮ってしまった。全く猥雑でもなく、エロくもなく、情緒もなく、哀愁もなく、何も伝わってこないシーンになってしまった。ここで必要な事は、ふたりが寝てしまうことを観客に伝える事ことだけでよかった。その伝え方に監督のセンスが試されるシーンだったのに…。よく解釈すれば、スター達のベッドシーンをどうしても入れてくれと映画会社やスポンサーにごり押しされて仕方なくでした…ということにしておきましょうか。

もう一つは、福山くんとリリー・フランキーの最後のシーンだけど、その前に伏線があって例のベッドシーンの後に、福山くんがこれも映画のキャラクターらしくなく自分の少年時代に憧れたロバート・キャパのあの超有名なあの戦場での兵士の写真をふみちゃんに見せちゃうんだよね。そして、チョット語っちゃう。それがラストに繋がるんだけど、これはやっちゃいけない。あまりに凡庸で作為が見え過ぎてあざとくなるだけで、かえってラストのインパクトを薄めてしまった。もしあんな伏線が無ければ、ラストはもっと唐突で衝撃的な味のあるシーンになったのにね。でも、多分だけど、ここのところが監督が一番のキモだと思って力入れて作ったんだろうなぁ、という気がする。

ザンネン!面白い映画なのに。

MY評価:☆☆☆★★★

2016公開 東宝 120min 

監督/脚本 大根仁 原作/原田眞人監督・脚本の映画「盗写 1/250秒」

キャスト/福山雅治、リリー・フランキー、二階堂ふみ、滝藤賢一、吉田羊

sponsored link

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です