1979年、マッドマックスから30数年を経て、再びジョージ・ミラーの世界が甦る
プロローグから一気に疾走する
ジョージ・ミラー帝国の造形は想像を超えていく。
混沌とした世紀末の表現は低予算の一作目から際立つが、それはエスカレートする一方だ。
ところどころで、自分の感性の枠を超えるシーンに出会った瞬間に観客の恍惚が訪れる。
しかし、派手になればなるほど観客はそれ以上を求める。
すれっからしの感性は、もっともっと、と要求する。
みんな、狂った世界が見たいんだ!
麻痺し始める感覚を救ったのは、人間たちの肉体の表現だった。
個々のドラマに寄り添う肉体の表現がこそが、観客の感情を喚起する。
ジョージ・ミラーのこの表現のこだわりこそ、観る者の心に正しく届くのである。
「マッド・マックス」ファンの期待に十分に応えた出来となった。
MY評価 : ☆☆☆☆
2015年公開 豪/米合作 120min 原題 Mad Max: Fury Road
監督/ジョージ・ミラー、撮影/ジョン・シール、音楽/ジャンキーXL
キャスト/トム・ハーディー、シャーリーズ・セロン
第88回アカデミー賞受賞/ 衣装デザイン賞 、美術賞 メイクアップ&ヘアスタイリング 、編集賞 音響編集賞 、録音賞 ノミネート/撮影賞 、視覚効果賞 、監督賞 、作品賞 他多数