映画というよりコミックなら良かったのに
と思ったら原作は池辺葵のコミック『繕い裁つ人』だった。
そのことを知って、納得した。
映画が多用する思い入れたっぷりな演出とカメラワークは、コミックの自由な世界では実に効果的な手法となるが、映画では現実が足かせとなって中途半端になってしまい、作為が際立つ結果になった。
良いシーンもいくつかあるが、全てが点となって散漫で物語性が弱い。
優れたイメージは瑞々しく表現されることもあるが、シーンの全体は感情に流れ過ぎた演出により、結局独りよがりの印象だ。
ところどころに心を動かされるシーンがあるだけに残念だった。
MY評価:☆☆☆★
2015公開 104min 配給/ギャガ
スタッフ 監督/三島有紀子、脚本/林民夫、原作/池辺葵『繕い裁つ人』
衣装デザイン:伊藤佐智子
キャスト 中谷美紀、三浦貴大、片桐はいり、黒木華