2016年 楽天ファイナル 自分を信じたキリオス選手の勝利


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ゴファン選手が勝つように見えたが…

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ショットの安定感と鋭さで上回るゴファン選手は、明らかにキリオス選手に圧力をかけ続けていた。

キリオス選手が1セットを4-6で落とし、2セット目も押されながらも自分のサービスをキープしていた中、突然ゴファン選手の集中力にほんの一瞬の隙が生まれた。ファーストポイントを今までノーミスだったフォアのダウンザラインをアンフォーストエラーで落とし、2ポイント目も同じくフォアのダウンザラインのフォーストエラーで落とし00-30、そしてここで痛恨のダブルフォールトで00-40となる。その後1ポイント返すが、結局このゲームを落とすことになった。

この後のキリオス選手はようやく大舞台での重圧から少しづつ解放されていく。3セットはむしろ精神戦の様相となる。息詰まる攻防戦はポイント毎に互いの選手にプレッシャーをかけていく。そんな中、キリオス選手が少しづつその圧力に押されていく。ぎりぎりところでキリオス選手の得意のサービスに力みからスピードも確率も落ちていく。ゲームを落としかけたところでキリオス選手が開き直ったというよりもやけっぱちにさえ見えたかのようにサービスを打ち始める。ポイント間は早くなり、しまいにはゴファン選手の構える間もないほどになり、仕方なくゴファン選手はタオルを要求するしかキリオス選手を止めることが出来なくなる。そして、キリオス選手は調子を取り戻していった。驚異のサービスエースの連発となり、もはや誰にも止めることのできないサービスモンスターとなった。

ゴファン選手の誤算は改良中というサービスのダブルフォールトだった。あれだけキリオス選手の威力のあるサービスをみせられると自分のサービスに力が入ってしまうことは仕方のないことだっただろう。ゴファン選手には珍しいほどのダブルフォールトの多さが負けに繋がったとさえ言える。プレッシャーは2人のサービスにのしかかり、ゴファン選手のあまりに素晴らしいリターンに圧力を受けたキリオス選手はダブルファーストで乗り切り、ゴファン選手は自らに圧力をかけダブルフォールトで2セットを落とした。

終わってみての正直な印象は自分でもすこし意外なものだった。勝ったキリオス選手の凄さよりも、負けたゴファン選手の素晴らしさが際立っていた印象だったからだ。

ゴファン選手の驚異的とも言える軽快なフットワークは錦織選手とはまた違った素晴らしさがあり、ストロークの正確性と安定感は鋭さも併せ持ち、キリオス選手の爆発的なフォアハンドを封じ込める威力があった。問題のサービスは流れるようなフォームから繰り出されるボールはコースもスピードも威力十分なものだった。全てのショットがテレビで観ていた印象よりも数段美しく鋭いテニスだった。

しかし勝った選手はキリオス選手の方だ。プレッシャーに圧し潰されそうになった時にそれを押し返したのはキリオス選手の自分を信じた自身の精神力と、それを裏打ちするサービスの技術への自信であった。


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