映画「キャロル」心を奪われてしまう!

ごく稀にこのような映画に出会うことがある

夢のような陶酔が切なく哀しい物語

監督トッド・ヘインズのチームは信じられないような映像を創造する。


まるでマジックのように作り出されるシーンの数々は、完璧に計算されつくされたカメラワークと構図、色合いのトーン、質感、メロディー、効果音、衣装、美術等々、そしてケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの息を飲む美し過ぎる存在感との融合が織りなす映像だ。

原作は「見知らぬ乗客」「太陽がいっぱい」のパトリシア・ハイスミスの未だに唯一翻訳されていなかったという「The Prise of Salt(よろこびの代償)」1952年著作。やはり一筋縄ではないストーリーだった。

1950年代の女性同士の恋愛だから、当時としては相当に衝撃的で禁断の物語だったはず。ハイスミスは別名で発表して大ベストセラーとなったらしい。初めて二人がセックスをするシーンは、なんとも感動的にロマンチックで、美しく、そしてエロチックだ。これでは良く出来た男女のラブシーンもまるで相手にならない。

本作の中でキャロルを演じるのは、『ブルー・ジャスミン』でアカデミー賞主演女優賞を受賞した ケイト・ブランシェット、天から落ちて来た如くの娘テレーズを演じるのは『ドラゴン・タトゥーの女』で同じくアカデミー賞主演女優賞ノミネートのルーニー・マーラだが、両者ともに今作品の演技の方が上の印象だ。となれば、今回のアカデミー賞のダブル受賞も十分に期待できるが、保守的なアカデミー会員は作品賞に選ばなかったことからも、受賞とは考えにくい。しかし、間違いなく受賞に値する極め付きの秀演であったことは断言できる。ケイトにいたっては、過去に受賞しているとか何回目だとかいうことは、このような秀演の前では全くどうでもよくなる。もはやメリル・ストリープさえ超える勢いだ。

この映画は女性同士の愛ではあるが、愛を描いてその素晴らしさはなんら異性間の愛と違わないことを、全ての人に納得させてしまうだろう。

そして、映画史に残る名ラストシーン。

最後のケイトの表情が、脳裏に焼き付く。

MY評価:☆☆☆☆★
2015/2016年公開   アメリカ   118min   原題/Carol
原作/「The Prise of Salt(よろこびの代償)」
スタッフ 監督/トッド・ヘインズ、脚本/フィリス・ナジー、撮影/エド・ラックマン
音楽/カーター・バーウェル 、衣装/サンディ・パウエル
キャスト ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、サラ・ポールソン
カイル・チャンドラー
カンヌ国際映画祭 パルムドール ノミネート 、女優賞 ルーニー・マーラ受賞
第88回アカデミー賞 主演女優賞、助演女優賞、脚色賞、撮影賞、作曲賞
           衣装デザイン賞ノミネート(未発表) 他多数ノミネート未発表

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