過酷な人生から生まれた名曲の数々
手練れの職人クリント・イーストウッドが描く
ニュージャージー育ちの不良たちの過酷な人生模様と
心に染み入る名曲の数々で描いた傑作。
それにしてもジョン・ロイドの歌は
本人より上手くないか?
MY評価 : ☆☆☆☆
2014年公開 アメリカ 134min 原題 Jersey Boys
監督/クリント・イーストウッド、撮影/トム・スターン
キャスト/ジョン・ロイド・ヤング、クリストファー・ウォーケン
心を揺さぶられたい時に観たい映画
非凡な人生、非凡な日々
憧れるよなあ
非凡という響き
でも、非凡て何だろう?
もし、愛おしい人生を生きることができたなら
それこそが非凡な人生なのだ
と、映画は言う
もし、毎日の平凡な日々を、本当に愛おしく過ごすことが出来れば
それが、非凡な日々となるのだろうか
平凡な時間も、非凡な時間の輝きを帯びていくのだろうか
もし、大切な人たちを、本当に大切にすることができれば
愛おしい人生となるのだろうか
映画は、もしも特殊な能力があったとしても
例えば、金を得るために使うとかではなく
愛のある人生を構築することにのみ使うことが
人を幸せにするコツなのだ
と言うのである
なんと平凡な結論なのだろうか
さらには、愛ある人生のために必要なこととは
平凡な日々を大切に生きることだ
とも言うのだった
映画はその事を云うために、極めて奇抜な仕掛けを用意し、観客を不思議な世界へと誘う
観終わった後、ぼくはとても心地よく納得し、幸せな余韻に浸るのだった。
MY評価 : ☆☆☆☆
2014年日本公開 124min 英/米合作
原題 ABOUT TIME(良い頃合い)
監督・脚本/リチャード・カーティス、音楽/ニック・レアード=クロウズ 、
撮影/ジョン・グレセリアン
キャスト/ドナルド・グリーン、レイチェル・マクアダムス、ビル・ナイ
伝記映画ってどこか説教臭かったりで、退屈な場面もあったりするのだが、
それがないのがとてもいい。
生き生きと、時代の空気が甦る。
演じるエッダ・マグナソンの歌姫っぷりが、魅力に溢れてる。
歌が上手く、美人で、キュートで、色っぽいから、かなり無敵である!
演出が良くて、脚本も良くて、ヒロインがサイコーの映画なので、本国スウェーデンで異常な大ヒットも理解できるというもの。
ところで、去年の暮れに映画が公開されたのを機に、エッダ・マグナソンが来日していたらしい。おまけに、ブルーノート東京に出演していた!なんという不覚!!!
MY評価 : ☆☆☆★★★
2014年公開 スウェーデン 111min 原題 MONICA Z
監督/ペール・フライ、撮影 /エリック・クレス、 音楽 /ペーター・ノーダール
キャスト/エッダ・マグナソン
ありえない間とかけっこうあって、なかなか独自の雰囲気だ。
無気力、無目的なまま32才の自称百円の女が、ある時から何となく変わっていく。
その過程が妙にリアルだ。
安藤サクラの存在感がそのまま百円女のリアリティーに見えてくる。
百円女だって、本気になる時がある。
それがボクシングってとこが面白いんだけど、それは実はキッカケだ。
百円女の中では、すでにいろんなものが変わっていっている。
映画の説明を全くしないという演出は、独自のリアリティを生み出すことに成功している。
ニッチだが、日本映画の進むべき一つの道だろうと思わせるだけのものがあった。
MY評価 : ☆☆☆★★★
2014年 113min
監督/武正晴、脚本/足立紳
音楽/海田庄吾、 主題歌/クリープハイプ「百八円の恋」、撮影/西村博光
キャスト/安藤サクラ、新井浩文
東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ部門」作品賞をはじめ、国内映画賞10冠 第19回プチョン国際ファンタスティック映画祭「NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)」受賞 第4回CUT ABOVE賞 for Outstanding Performance in Film 受賞 (主演の安藤さくら<日本映画に最も貢献した映画人>を讃える賞/ニューヨーク開催) 2016年日本アカデミー主演女優賞受賞/安藤サクラ
物語は実に陰気な感じで始まり、これ大丈夫か?と思うが、いやいや心配無用。
話はとんでもない展開となっていく。
脇で「ライトスタッフ」で最高にカッコ良かったサム・シェパードと、一世を風靡した「マイアミバイス」のドン・ジョンソンが出てくる。
歳はとっても実にそれらしく役にはまって出てくるところは、嬉しくなってくる。
彼等の活躍?に呼応するように主人公の内面が変化していく様が見所だ。
ラストは、大人の映画ならではの味があって、好感がもてる。
MY評価 : ☆☆☆★★★
2014年公開 アメリカ/フランス 未公開 110min 原題 COLD IN JULY
監督/ジム・マイクル、撮影/ライアン・サマル
キャスト/マイケル・C・ホール 、サム・シェパード 、ドン・ジョンソン
観ていると長いとは思わない、というか面白くてしかたないから、長いんだろうけどずーと観ていたいと思わせる。
内容はとてもシリアスで、社会的な問題提起ともいえるいくつかのテーマを持っているが、タッチは軽やかで、エンターテイメントのコメディとしても秀逸である。
この映画のいいところを上げたらキリがないというほど、あらゆる様々な面で優れている。しかし、それもこれも、安藤桃子という監督の演出に支えられて光り輝いているのである。
映画監督の資質にとって一番大切なものを持っている。
それは日本の監督史の中でも特筆されるべき資質なのだろう。
全編映画の魅力に溢れている。画面が生き生とみずみずしく、躍動感に満ちているからだ。
つまり、極めて映画的な映画になっているのである。
それは、かつての巨匠たちもなかなか持ちえなかった偉大な資質であり、才能である。
原作があり、脚本があり、テーマがあり、監督の特異な視点もあり、しかしもし、その全てが仮に優れてたとしても、良い映画になったとしても、命のかよった生き生きとした映像を獲得できるわけではないのである。
そこが映画の素晴らしいところであり、同時に難しいところと言えるのではないだろうか。
この安藤桃子というまだほとんど経験のない監督は、落ち着いてさえいる演出のもとに、いともたやすくそのハードルを飛び越えてしまっているかのようだ。
もはや、稀有な才能の誕生と言わざるを得ない。
あれ!これヤバくない、褒め過ぎ?
MY評価 : ☆☆☆☆
2014年公開 196min
原作/監督/脚本 安藤桃子
キャスト/安藤さくら、津川雅彦、柄本明、坂田利夫、草笛光子
日本アカデミー賞、上海国際映画祭等各賞多数/作品、監督、脚本、主演女優、 助演男優助演女優賞 受賞
めっちゃ、かっこいい‥‥
そして
美女とタンゴを踊る
フェラーリを運転する
どれも、盲人の捨て身の覚悟の上のこと。
名シーンはキラ星の如く
アル・パチーノ渾身の一作。
それにしても、セント・オブ・ウーマン
なんて粋な題名。
MY評価 : ☆☆☆☆
1993年公開 アメリカ 157min
原題 Scento of a wooman(女性/夢の香り)
監督/マーティン・ブレスト、脚本/ボー・ゴールドマン
キャスト/アル・パチーノ、クリス・オドネル
1993年アカデミー主演男優賞受賞(作品・監督・脚色ノミネイト)
1993年ゴールデングローブ作品、主演男優、脚本賞受賞(助演男優ノミネイト)
正義のためなどではなく、課せられた任務(仕事)を全うする上での矜持!
そここそが、どう生き、どう死ぬかの〈分水嶺〉
若く純粋で、柔らかい心が、ズタズタに傷ついていくところを、観客は見せつけられていく。
死ぬことも、生きることも、
どちらも、地獄の分水嶺。
現実社会の選択は、生死の選択など無い。
だから僕等は、映画の中で、安心して「究極の選択」を疑似体験することができるのだ。。
MY評価 : ☆☆☆★★★ 2014年公開 米/英合作 134min 原題 Fury(激怒)
製作・監督・脚本/デヴィッド・エアー
キャスト/ブラッド・ピット(&製作総指揮)、シャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン
人は誰でも後悔する時があるけど、
してはいけない後悔をすることだってある。
してはいけない後悔とは、
つまりは、心が壊れてしまうということ。
そこにピンと来ないひとは、
この映画の設定すら嘘っぽく映るんだろうな。
こんな心の有り様は、
同じ様な経験をした者でなければ分からないのだろうか?
意外に観る人を選ぶ映画なのかも…
ある意味
哀しみを封印したことのある人必見の映画なのです。
MY評価 : ☆☆☆☆
2010年公開 東映 131min 監督/行定勲、原題 今度は愛妻家(戯曲)原作/中谷まゆみ 脚本/伊藤ちひろ、主題歌/井上陽水『赤い目のクラウン』 キャスト/豊川悦司、薬師丸ひろ子、石橋蓮司
今後もない唯一無二の西部劇。
男が寡黙に決意する。
そんな男たちが一つに集まり、
自己の矜持に全てをなげうつ。
男がもっとも輝く時。
荘厳なまでに凄まじいラストのシーンは、
どこか静けさが宿り、やるせないほど美しい。
男たちのいさぎよさが泣けてくるほど愛おしく、
余韻がいつまでも心に残る映画だ。
MY評価 : ☆☆☆☆
1969年製作 アメリカ 145min 原題 THE WILD BUNCH
スタッフ 監督/サム・ペキンパー、音楽/ジェリー・フィールディング
撮影/ルシアン・バラード
キャスト ウィリアム・ホールデン、ロバート・ライアン、ウォーレン・オーツ
アーネスト・ボーグナイン